咳をしても一人幸福
本日快晴にもかかわらず、朝起きたときの感じが駄目だった。
多分父の事故のショックが処理しきれていないのだろう。
でも快晴なので、環境的にはそんなに落ち込めない。
太陽が輝いているからだ 笑
ゆうべ電話したら「あとでまた話しましょう」とさらりとかわして話を終わらせた瘋癲さんからはもちろん連絡来なかった。
彼の「後で」は「今自分の時間をそれには使いたくない」なのであって、瘋癲さんは争いが嫌いなので、そこで私が怒り出したり無神経なふりをして押し通してしまえば言いなりになるんだけど、腹の中ではしんから「面倒くせえな」と考えているのがわかるので、ごり押しはしたくないのです。
父のことを誰かに話したかった。
で、私の中でいちばん好きな男友達にかけた。
彼も自由な瘋癲タイプなのだが、瘋癲さんとは間逆な明るさと行動力と馬鹿さがあって、学生のときなどは
「ここまで馬鹿な人はこれからどうやって生きていくんだろう」
くらいに常識の無い人だったけど、今は日本で一番有名と言っても良いアーティストのデザインをしている。
都心に住んでいたのを最近引っ越して、海沿いに住んでいる。
冬でも海で遊ぶのため、50代なのに人目を引くほど独特でかっこよい恵まれてたルックスで、太陽みたいに明るい。
完全に一人で生活できるし、自然でおおらかでセンスが良い。
嘆いたり愚痴をいったりしないので、めちゃめちゃもてる。
都心で一緒に住んでた彼女と別れて海沿いに越したら、すぐ他の女性が住み着いているけど、女性に対する感覚は瘋癲さんのそれと同じなので、そこそこの女の子から
「ここに住んで良い?」
と聞かれれば
「いいよ!」というのだ。
前の彼女も20歳くらい年下だった。
今の彼女はいくつだろう。
「今、話してもいい?」
「いいよ!」
「30分」
「へへへッ!!なげえな!!」
彼は語彙がとても少ないので
「ビックだね!」
「ゴッドだね」
「いいんじゃん?」
とか、そんなことしか言わない。
煙草を吸いながら聞いてくれる。
彼女は近くにいるのかどうか知らない、もういないかも知れない。
彼に未来の話はできないので、年頃の女性は途中で彼を諦めざるを得ない。
そんな訳で海で遊び、遠隔仕事で稼ぎ、漂着物のようにくっ付いてくる綺麗な女の子を抱いているの友人だ。
彼は最後まで聞いてくれた。
私は満足してから、逆に彼の生活を尋ねた。
代理店及び関係者がやたらと口を挟んでくる仕事は、私だったらすぐ切れている。
偉いよなー。
「あのさ、他所から口挟まれて、今までしてきたことの間逆を急に言われたり、元に戻す指示があったりするじゃない、そのとき頭にこないの?」
「あるねー。俺何言われても全然平気だよ、あっそうっすね、ほんとっすね、ありがとうございます!」
「御礼まで言っちゃうのっ????」
「エヘヘッ、俺今、御礼言うの趣味なんだ」
次元が違う。
「すごいね、私だったらそこでやんなっちゃう」
「俺も前はそういうことあったけど、こっちのほうがハッピーじゃん」
「普通それで文句いったり愚痴言ったりするよ、おっさんは」
「へー、そう?」
おお・・多分彼のまわりに、そういう人は居ないのだろう。
「私もおとうさんみたいになれるかな」
「なれんじゃね?(適当)」
「お父さんは元気?」
「なんか脳ナントカで(適当)一度救急車で運ばれたけど、今元気みたい」
明るくて、不安になることがなくて、
犬のように目の前のことだけに集中して生きていて、
あんたって、一生かっこいいわ。
私、一生好きだわ。
いつでも話聞いてもらえるくらいには、私も頑張るわ。
なんだろう、自分の環境がどうなっても、その場所で、1人で、幸福をみつけることを反射的に積み上げる、この力。
何かよからぬことが起きたとき、人の同情や共感をエネルギー元にしない、この力。
咳をしても一人幸福
私の座右の銘にしよう。
だから今日も良い一日にしよう。
話の合う人、話し掛けてね。
じゃ、今日も良い日に。
#咳をしても #咳をしても一人 #尾崎放哉