映画観て、散歩して、好きなもの食べて

瘋癲さんと映画に行った。

 

映画館の入り口で待ち合わせたら、30分前なのに

「おなかが空かないかい?」

とカウンターだけの中華に連れて行かれた。

瘋癲さんは回鍋肉定食を頼み、私は餃子だけを頼んだ。

平たい丸いお皿に、飼育小屋用か、というくらいの量を盛られたご飯に回鍋肉をぶっかけたものが来て、呆れた。

 

瘋癲さんは半分残した。私はもう残すことに対して指導はしない。

 

でも不思議に思ったので質問した

どうしてご飯を半分にしてって言わないの

面倒くさいから

どこが面倒くさいの。ごはん、はんぶん、っていう「ハン」が重なるところ?

ご飯少なくって言ったとき、面倒くさいなあって思われるかも知れないし、それを心配するから2重に面倒くさい

ふーん

 

東北出身の割りに本当に食べ物を粗末にする人だ

 

映画を観終わって、散歩しながら瘋癲さんの家に行った

 

途中

おなかが空かないかい?

とまた瘋癲さんが言った。

空いてないわ

と言うと、僕は何かちょっと食べたいなあ。。。あなた選んで

と言う。

サイゼリアにした。

そこで私はグリンピースのサラダと生ハムを食べ、瘋癲さんはリゾットを食べた。

 

部屋の近くになった時、瘋癲さんが

食べ物を買っていこうよ

と言ったのでコンビニに入った。

まだ食べるの?と聞いたら、

瘋癲さんはさっさと、焼きプリンと、メロンのプリンと、シュークリームを持って立っていた。

1人でそれ全部食べるの?

と聞いたら、うん、と言う。

私はたんぱく質量と糖質量をチェックしながら、チーズケーキを買った。

 

部屋に入り、瘋癲さんはつぎつぎと3つ、食べてしまった。

 

ほんとに好きなものを好きなだけ食べている。

それでいて、過敏性腸症候群で、花粉症で、無呼吸で、不眠症で、逆流性食道炎で、 

乾燥肌だ。絶対に死にたくないって言ってるけど、あれじゃ80歳まで生きられないのではないかしら。

 

そして、あんな栄養で脳が働くんだろうか。不思議。

 

一緒にお風呂に入って、一緒に寝た。

たくさんたくさん映画について話した。

 

瘋癲さんが横になって両腕で私をくるむと、ナマケモノに包まれているみたいだ。

 

朝起きて私が人形になってたら、どうする

と聞いたら

残念だ

と言った

 

実際は朝になったとき、帰るね、と言うと、

やれやれ、やっとここからゆっくり寝られるぞ、というようなぬくぬく顔をするのが面白い。

 

ほんとに、何がどう好きなのか、もうわからないけど、

彼は面白くて、ずっしりしていつも温かい。

懐かしくて、安心する。

お父さんとか、おじいちゃんとか。

血の繋がっていない、大きな大人。

そういう感じがする。

 

おやすみなさい