重い女
瘋癲さんの誕生日だった。
お祝いしたかったから、瘋癲さんの家に行った。
そこで女性から電話があり、彼が他の出会いサイトにも登録してることもわかり。
一瞬凹んだけど、・・もう良いんです。
私が祝いたくて、彼が受け入れてくれて、そこで楽しい時間を過ごせて、私が癒されて、元気が出て、またあなたに会えたらな、と思う。
彼が他の人を見つけて、私を体良くあしらってくるかも知れない。
また、私がそうするかも知れない。
女って、予想通りの答えが返って来ないと、面倒臭いよね。
と瘋癲さんが言った。
私は昨日知ったんだ、ある人と話していて。
私は男性に対して、物分かりが良くてさらさらした女だと思っていたけど、
実は拘束が好きで、
変態の域に達するくらい粘着質で、
隠れて人の手紙を開封したり携帯のロックを外したりすることに何の抵抗も無く、
約束と犠牲を好み、
義理と倍返しを信条とし、
どちらのほうが愛が深いかを自傷行為で競うようなことが大好きな、
最も面倒臭くて、重いタイプの女だったってことを。
それを自覚したら、凄くすっきりした。
瘋癲さんは私のことを全く知ろうとしない。過去のことも、今の仕事も、今日なにをしているのかも。
ただ、二人でいる時は二人の時間を。
今、ここに現れていることが全て。
会話して、散歩して、銭湯に行き、彼の研究の話を聞いて、ご飯を食べて、セックスして、一緒に眠る。
私はそれで元気になる、元気になるために、彼に会うんだ。
おやすみなさい。