自分が傷つけているということ

昨日、瘋癲さんと寝ていて、彼が私の身体のカーブを隅々まで撫でたので、

「つるつるなのが私の取り柄なの」と言ったら、

瘋癲さんが驚いた様子で、

「取り柄がつるつるなところなの?他には無いの?」

と聞かれた。

うーーーーん。

思いつかなかった。

何だろう。どう思う。と聞いたら、

瘋癲さんは同じように

「うーーーーん。。。。そうだなあ」と考えて、

「髪の毛」と言った。

その長い間にも、答えにも、少なからずがっかりして、

髪の毛?と聞き返したら、

「豊かな、髪の毛」と答えた。

次は?と聞いたら

また暫く考えて、

ロシア文学が好きなところ」

と言われた。

そのとき、私はその場で泣けてくるくらい、心底悲しくなった。

胸とか、お尻とか、言われたかった。

目とか、口とか、言われたかった。

笑顔とか、声とか、言われたかった。

つるつるして、髪の毛がモーモーしているものが、ロシア文学を読んでいる様子を思い浮かべて、非常に惨めになって帰った。

そうですよ、私、外見、駄目ですよ。

本当に、わたしじゃなくてもいいんだな、と思いながら。

家に帰って、考え直した。

悲しくなってるのはいいけどさ、それ本当に傷つくとこなの?

誰が悪いの?彼は私を傷つけようとしたの?

あんたっていつもそうね。自分で勝手に傷ついて。

勝手に惨めになって。いやらしい、被害者意識。

そうだった。被害者意識はもうやめるって、決めたんだ。

良いじゃない、豊かな髪の毛。

私は彼のどこが好きだろう。

そう考えたとき、最初に出てきたのは、

豊かでもじゃもじゃした髪の毛だった。

そして次に出てきたのは、肌の質感だった。

最後に出てきたのが、研究内容だった。

3つの答えが揃ったとき、一人で笑ってしまった。

顔じゃなくて、ボディじゃなくて。

収入じゃなくて、誠実さじゃなくて。

包容力じゃなくて、大切にしてくれる、じゃなくて。

お互い様ですね。

そうですか。

つるつるで髪が豊かで、ロシア文学が好きなのが、私です。

また来週にでも、会いましょう。