ショックで吐くって
母の日だというのに、物凄くショックなことがあった。
話を聞きながら、自分の頭の中で何か肉の繊維のようなものが、ブツッブツッと引きちぎれる音がし続けて、ああ、こうして私は壊れてきたんだ、と思った。
頭と胃が容赦無く締め上げられて、ついに吐いてしまった。
ショックで吐けるって、本当なんだ。
中の人が物凄く苦しんで、のた打ち回って暴れ、出たがっていた。
駄目だと思ってずっと寝ていた。今思い出すだけでも頭が絞られる。
夜、息子からプレゼントが届いたけど、ハンコを押すのがやっとで、開ける元気がなかった。
プレゼントは朝まで机の上だった。
朝開けて、しみじみ眺めて、頑張ろうと思った。
全部予定をキャンセルしようかと思ったけど、ぎりぎりまで横になっていて、立ち上がり、無理矢理出かけた。
無理矢理でも、どんな酷い顔でも、人と会うと元気になる。
会った人から色んな話を聞いた。
パートナー。
みな、何かしら問題を抱えてるように聞こえた。
衝突したり、話が通じないと嘆いたり、悩んだり。
それが赤の他人と、理想を作ってゆくということなのだと思った。
私達は、ゆきつくのだろうか、合致した理想に。
無理な場合はどうするのだろう、いつもどちらかが折れなくてはならないのだろうか。
わからない。
ただ平穏に暮らしたいと願っているだけなのに、どうして神様は私を平和にしておいてくれないのだろうか、前生で相当悪いことをしたのだろうか。
悪いことは重なるもので、また別件の事件が生じ、価値観の違う人間の偏見を嫌というほど思い知った。
その時、思った。不幸は自分の気持ちの問題だ。馬鹿げている。
自分は犬のように目の前のことだけが良ければそれで良くて、見えないところは知らないままでいたい。
完全にそうなれたら、人生は大分楽になる。
どんなことがあっても平穏でいると決める。それは自分の強さの問題だ。
そう思って、粛々と呼吸を重ねようと思った。
神様が、この世はもう上がっていいよって言いに来るまで。
息、吸って、吐いて。