ファンキーな屁理屈

夜遅く大井町線にのったら、サラリーマン2人が言い合いをしていた。

どうやら酔っ払いのおっさんがガンガン人にぶつかりながら車内を移動したらしく、それをあんちゃんがとがめ、おっさん逆ギレし、そこから「謝るべきでしょ」「嫌だ」がこじれたらしい。

私の友達の4歳児が「ごめんなさい言うくらいなら死ぬ!」っていうぐらい強情なお子様なのだが、そのおっさんも「俺は嫌だ。謝らねえ!」とごねていた。

まあ感情的になっている状態で謝罪を請求されて、素直に謝ることは大変にむつかしいので、あんちゃんもいいかげん許してやればいいのに、とも思った。

「ねえおかしいでしょ?普通謝るでしょ?人にさ、こうやってガンガンぶつかって」
「だからー、普通って何だよ?じゃ、いいよ、いいよ、ここにいる皆に聞いてみようよ」
「お前バカじゃないの?何で皆に聞くんだよ。常識なんだよ、迷惑なんだよ」
「じゃ何?俺は混んだ電車で人にあたる度に、あーすいませんね、すいませんね、って言わなきゃいけないのかよ?」

こんな感じが延々と続いたあと、どうしても謝りたくないおっさんが
「じゃ何?もし俺がもしここでフラフープしたらよ、フラフープ当たる人全員に謝りながらフラフープしなくちゃいけない訳?」
と言い放った。

笑えた。なんという効力の無い言い逃れ。でもあんちゃんは笑わなかった。そして言い合いは続いたのだった。

あのおっさん、奥さんに責められたときにどうしてるんだろう。
ある一点を超えると、あんなとんでもない屁理屈を出しているのではないだろうか。

そして奥さんもけっこうそれをノートに書き溜めてたりして。

暴力にはならないような2人だったので、良かった。

今後おっさんも人にぶつかったときには、ひょいとアゴくらい突き出して「すいませんね感」を演出するようになるだろう。相当しつこく言われていたからね。

これにて一件落着!(なのか?)