欠点の証拠を並べて、それを直視させようとすることについて

7月8日の返済交渉の折、私はけっこう、しつこく彼に色々言った。

確かに彼はがんばって月々返却している。

問題は、今のペースではどう見積もっても、返済期日に間に合わないことだ。

それをどうするつもりなのか、確認したかった。

それをまた「いざとなったら会社に借りるから、大丈夫」と、「前回はたまたまできなかっただけで、本気になればできるから」的なニュアンスで終わらそうとするから、カチンと来た訳です。

−どっかから借りて一括で返すって、いつもそう言うじゃない。で、できないじゃない。

するとやはり借金して10年のらりくらりと放置できるラテン男の器、「そんなことない」と言い張る。というより、都合の悪いことは忘れている。

ここまで来たらもう仕方が無い。

今までの「どっかから借りる借りるって大口叩くだけで、全く達成できてないあなたの過去実績」を出さざるを得ない訳です。

出したって聞かないラテン男。そうなると、世界中の男女が繰り広げている会話、

「いついつあなたはこう言った(しかもやってない)」

を、沢山並べなくてはいけない訳です。

やりましたよ。本当にイヤでした、不毛でした。

結果。

彼、逆ギレ。当然です。

どこの世界に、認めたくない自分の欠点の証拠を並べられて「ほうらよく見ろ、そして認めろ」と言われた時に「そうかなるほど、俺は足りない男だな」と心から自らを省みることができる男がいるのでしょうか。

私達は、めずらしく、1週間以上かさかさした雰囲気の中で生活することになりました。

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私はもともと片付けが苦手ですが、彼は綺麗好き。なのに彼は片付けの下手な私に対して嫌な顔をしたことも説教したことも声を荒げたこともありません。

−金盥は、やろうと思ったら片付けできるから。

そう言うだけの彼に対して、私は片付けをはじめることができたのです。一緒に暮らしているのだから、彼にとっても、居心地の良い空間にしないといけないと思うのです。

これを色々とネチネチ言われたら、私は「私は片付けを重要視していない。よってやりたくない。」と言い張ったのではないかと思います。

彼は辛抱強く片付けのできない私を受け止めてくれた。
彼はそういうところが沢山あります。人を矯正しようと考えないのです。

私は彼のそういう点をとても尊敬しています。人の短所を責めない。
北風と太陽の話をいつも思い出します。


今回の騒動の末、彼は会社からお金を借りる際に必要な書類を持って来ました。私は一応それを見て落ち着きました。(実際借りてくれるかどうかはまた未来の話だけど)

でも、彼が行動に移した動機に、私の「欠点の証拠並べ」が功を奏したとはどうしても思えなかった。

わからない、こういうことは波風立てずには収まらないものなのかも知れない。

彼がお金に対してちょっと冷静に考えることが苦手なのは、彼の家庭環境に深く根ざしている。

お金のことを責めることで、彼は昔の家庭環境に根ざす激しい感情の部分を大きく揺さぶられてしまう。

これは長くかかる、もとい、かけなくてはいけない問題なのだと思うと、私のやり方が正しいのかどうか、はなはだ自信が無い。

彼のこわばった感情をゆっくり溶かしてゆく。

そういう手腕を持ちたい。

もうやりたくない。

欠点を並べるなんて。

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