瘋癲さん

表層に出ていることが全て

さーさんという男友達とお付き合いについて話した。彼は面倒臭くなったらすぐに冷めてしまうそうだ。先の話をされたり、私とのお付き合いは一体どのくらい本気なのか、などと聞かれると、うんざりするそうだ。そして彼自身、付き合っている女性のほかに他の…

重い女

瘋癲さんの誕生日だった。 お祝いしたかったから、瘋癲さんの家に行った。そこで女性から電話があり、彼が他の出会いサイトにも登録してることもわかり。 一瞬凹んだけど、・・もう良いんです。私が祝いたくて、彼が受け入れてくれて、そこで楽しい時間を過…

心の鳥が躍る

瘋癲さんに会いたくなって、会って来た。色々あるけど、私は彼といると癒されるので、彼が連絡くれないとか、彼が私を好きじゃないとか、もうそんなことはどうでも良いから、自分が会いたいときに自分から会いたいと言い、自分から会いに行けば、それでいい…

自作自演

瘋癲さんから1ヶ月に2回くらい、頼まれごとをされる。何箇所かのウェブ本屋で彼の著作を買うことだ。お金は彼が出すけど、海外の書店での注文は面倒だし、また、彼が書いたレビューをコピペしてアップしてくれだの、レビューにいいねしてくれだの、欲しいも…

売血愛

瘋癲さんの家に行って、泊まった私は彼といると悲しくなるけどそれがどうしてだか、わからない。きっと、言葉の節々から、愛されていないって感じることがあるからだと思うたとえば、私が助からない病気だってお医者さんに言われたらどうすると聞くと僕が医…

瘋癲さんはよく嘘をつく。嘘だなとはっきりわかる時は、時系列の整合性が合わない時、言葉のエッヂが落ちるとき、返答するときに、つまるような間があるときだ。私はプライベートになると、それについて言及する気が起きない。仕事だったら言及する。誤魔化…

悲しい予感

瘋癲さんの家に泊まりに行くことになって、職場から電車に乗りながら、意味も無く自分の中に悲しい予感がどんどん重く広がってくるのがわかり、不思議になった。これ、なんだろう?電話して、キャンセルしたほうが良いかな。相当迷ったけど、迷ったときには…

超低空のダンディズム

今日はお仕事何時頃に終わりますか?と瘋癲さんからショートメールが来た返信したらそちらに、一緒に行く?というテキストが来た。嬉しかった。途中の駅で待ち合わせて、一緒に私の家に行った。寝る時に朗読してちょうだいとお願いした。冷蔵庫にあるもので…

朗読と王将

瘋癲さんと一緒にいて楽しいのは会話しているときで、 時間を忘れてどこまでも話していたいと思う。 感性が合うので疲れないし、また彼の話をつまらないと思ったことも無い。ぞくぞくするほど嬉しいときは、朗読してくれるときで、 彼は「読んで」というと読…

自分を愛する

瘋癲さんと電話で話していたら、何かの会話の流れで彼が、「僕は自分を愛しているから」と言い、「だから、死にたくないんだよ」と、続いた。使用する言葉の選択に細かい彼から「愛する」という言葉を初めて聞いたのにも驚いたし、それが完全な形で自分に向…

一緒に

瘋癲さんの家、というより部屋、に行った。 相変わらずクラクラするほど散らかっていた。「この詩の解釈についてどう思う、僕はこう考えているんだけど」瘋癲さんは昔の、質の悪い紙で作られた雑誌に掲載されていた詩を開いて見せた。片仮名。繰り返し。怒り…

トラウマに再び近づいて

瘋癲さんが 「長く生活していた元恋人と共同研究をしようと思うんだけど、このアイディアについてどう思う」と聞いてきた。素敵なことだと思った。そう伝えた。次に昔のことを思い出した。大切な女友達がいると言われていて、実は友達を越えた関係の女性だっ…

腕の中へ帰る

瘋癲さんと私は身体のサイズが合うので、瘋癲さんが横を向いて両腕を私のほうに放ると、私が瘋癲さんの腕と胸の籠にすっぽり入る。筋肉が少なく脂肪がほどよくついて、皮膚がさらさらで毛のない彼の身体は私の首の下にあってもうっ血することがなく私の首に…

自分が傷つけているということ

昨日、瘋癲さんと寝ていて、彼が私の身体のカーブを隅々まで撫でたので、「つるつるなのが私の取り柄なの」と言ったら、瘋癲さんが驚いた様子で、「取り柄がつるつるなところなの?他には無いの?」と聞かれた。うーーーーん。思いつかなかった。何だろう。…

何を言ったか、何をしたか

瘋癲さんが、あなたに僕の故郷の料理を作ってあげよう、と言った。彼は半日かけて材料を買い揃えて、家に来て、作ってくれた。美味しかった。懐かしい時間の復活。歓迎して良いんだろうか、拒むべきだろうか。でもそうだ、何を言ってくれたか、じゃない。何…

心の重さ

今日は夜から人と会う以外予定が無かった。やることは沢山あったけど、寝ていた。夕方までいくらでも寝られた。自分を責めたり、人と比べたりする気持ちが沸いてくることが無く、凄く鈍い平和の中で、薄暗くなってきた部屋を見渡した。不思議だ。この気持ち…

話しかけたい

昨日瘋癲さんに電話したら、外の雑踏音の中「なんか電話がかかってきた」という声とともに電話が切られてしまった。出られない状況ですか。そうですか。と思った。何をしてるのやら。凄く気分が悪くなった。2時間くらいして、着信が3回あった。電話してみ…

人の存在で自分の幸福度を補填しようとしない

瘋癲さんと一緒に寝ながら話している時、彼が 「身体から始まった関係はドライだからね」 ということを言った。男女の色々な話の最中に、極めて自然に発声されたので、私たちのことを指しているのかどうか、咄嗟にわからなかった。しかし一気に苦しくなった…

皮膚が、ベルベットのように

2016年の5月に同居していた彼と別れて、あまりの出来事に怒りも悲しみも感じないまま、ずっと一人の生活を送りながら2017年になった。一人の生活で、私の部屋は私の内臓のように変化していった。2017年の12月、なんとなく出会いサイトに登録した。並んで夜道…